Last UpDate (09/04/21)
「おかーさん、ただいま〜!」
バターン!
元気の良い声と共に勢いよくドアが開き、ルミアが駆け込んでくる。 口をいっぱいに開け、瞳を輝かせた少女の顔は、まるでお日様のように明るく、幸せを運ぶ天使のようだ。
「お帰りなさい。ルミア」
満面の笑みで振り返る若く美しい女性マリエスタ。少女が天使ならば、こちらは暖かく少女を包み込む聖母と言えよう。
普段から大きいサイズの、しかもしっとりと濡れたYシャツしか着ないルミアと、どんな季節でも紺の修道服のみで過ごすマリエスタ。
異色ながらも小江戸市で評判の、仲の良い母子だ。
ルミアは駆け込んだ勢いのままにマリエスタにぎゅうっと力一杯抱きつく。
マリエスタが優しく抱き返すと、それを待ったかのように顔を上げ、
「おかーさん。さっきかためのおにーちゃんからこれもらったー!」
そう言いながらどこからとも無く取り出し、掲げて見せたのは三日月があしらわれた武者兜。
それはかの有名な―――
「あら、こんなに立派なもの。ちゃんとお礼は言いました?」
といっても、外国人のマリエスタに解るはずもなく、軽く首をかしげる。
「うん。「いいどきょうだガール」ってほめられた−!」
兜をかぶり、空いた両手をグーにして、腕をぐるぐる回してはしゃぐルミア。
「そう、良かったわね」と、微笑み返し、
「今日は丁度「こどもの日」ですし、写真を撮りましょうか」
近くの戸棚からデジタルカメラを取り出した。
「お〜!」と、再び兜を掲げマリエスタに向かいポーズを取るルミア。
また1つ、二人の思い出に一枚の写真が追加された。
後日、その兜を奪還するために、小江戸市を根城とする暴走族『Date−K』が親子の元に姿を現すのだが……それは別のお話。
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