2008年11月
「ハローウィナー!!」
もうすぐハロウィン。一年に一度だけお化け達の世界と繋がる日。

万聖節の前夜祭だが、世間的には仮装パーティ程度のイベントでしかない。しかし、それ故に、子供受けは良い。
そして、例に漏れない子供であるルミアを喜ばせるために、今年も世間的なハロウィンに参加するマリエスタ一家。

昨年はジャック・オー・ランタンに模して切り抜いたカボチャに、予期せぬ仕掛け人が入り込んだため、ルミアが大はしゃぎだったが、今年は果たして……。

……

「ふっふっふ、またカボチャに潜んでいるとは思うまい!!」

昨年はあの後、おもしろがったルミアに追い回されて、三度口から救出されるという大変な目にあった。そして、それ以降、顔を合わせる度に追いかけられていたのだが……。

懲りずに潜む使い魔一人。
昨年、口から無事サルベージされた後、なおも食べられそうになったことを閃那は未だに根に持っていた。
これはどうあっても驚かさないと気が済まない。そう思い、今年、再びランタンに身を潜めていた。
一度主の下に帰っていた閃那だが、お化け達の世界……異世界と繋がったこの日、リベンジするために帰ってきたのだ!

テーブルの上に、ルミアのためにおかれたお菓子を狙う。
敵(ルミア)は、物欲しそうにそれを見つめている。

(ふっふっふ。それはお前の口には入らないぞ)

意地悪な笑みを、カボチャの中で浮かべる閃那。

(灯台下暗し、去年と同じモノに潜んでいるとは思うまい!)

「おかーさん、お菓子たべていー?」

「良いですよ。ただ、ご近所に配る分もあるから、あまりたくさん食べないようにね」

ルミアの視線がお菓子から離れた。今だっ!
カボチャの置かれた台から一気にテーブルへと飛ぶ閃那。

ガシッ

「へ?」

お菓子まで後数pの所で無造作にキャッチされた。

「おかーさん、このカボチャのお菓子がいー!」

「あらあら、ルミアったら、そんなに大きいので大丈夫?」

満面の笑みで会話する親子。
血の気が退いていく閃那。

「か、噛むのはやめてね(・_・、」

この後、やはり昨年と同じ光景が繰り返されたのだった。


(勇者屋キャラ辞典:マリエスタ九水ルミア閃那
2008/102008/12
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