日中の死にそうになるような暑さをやっとの思いで耐え、ようやく日が落ち、少しだけ涼しくなってきた。
夜の夕涼みは、そんな猛暑の続く夏の小さな贅沢……なのだが。

「暑い! あっついわぁ!」

昼に比べれば涼しいとはいえ、汗が止まらないほど暑いのには変わらない。
風通しの良い浴衣に着替え、団扇で仰ぐも、殆ど効果は無し。

汗がまとわりつき、それを払拭するために風を通そうとするうちに、着衣も乱れ、楽な姿勢を模索するうちにあられもない格好になって行く。


普段ならば、気にとめる事も、一人であることと、暑さに朦朧とした思考の下、どんどんと大胆になって行く。

しかし、そんなときこそ、間が悪いものだったりする。

「おーい、アルファ。暑さを忘れるために感動の超大作を見な、いか……?」

部屋にやってきたイプシロンは、DVDケースを片手に硬直した。

「それはええ考えやなぁ、いぷしろん〜」

自分がどんな格好なのかまで気が回らないアルファは、満面の笑みで迎える。当然、彼の硬直にも気が付いていない。
反して全身から汗が噴き出るイプシロン。目の前の彼女から目が離せない

「す、すまんっ、また今度なっ」

予期せぬ親友の色っぽさに逃亡を余儀なくされた。

「……? なんやぁ?」

イプシロンの突然の逃亡に少々困惑したが、

「ぁ、ええ風やないの」

開けっ放し戸から入ってきた風を吸い込み、小さな涼を楽しんだ。

(勇者屋キャラ辞典:「地の」アルファ
文:若菜綺目羅
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