「旋璃亜、ここでお前との決着をつけよう。今度は前のように逃がしはせんぞ」

ゼミニアは、その身体には不相応な程大きな鉄の塊を片手に、妹を見据え、言葉を放つ。

「姉様、私は……!」

悲壮な顔で言葉を返そうとした旋璃亜を制するように、小さな銃を抜き、その銃口を向けた。

「お前との議論は尽くした、それでもお互いここに立っているのだ」

目を閉じる。紅の髪に隠れて、光るモノが見えた気がしたのは、旋璃亜の都合の良い錯覚だろうか?

「どうしても私を止めたければ、私を倒して見せろ! 勇者旋璃亜!」

目を見開く。その光は迷いも悲しみも、微塵も感じさせない、ゼミニアの強い決意と意志。
しかし、旋璃亜は知っていた。そこに立つ者が強く美しい光を放ちながらも、どこか不確かな月光であることを。
より愛しい者達を護るために、愛しい者達に背を向けねばならなかった心の優しい姫で在る事を。

なれば……

「私は姉様を止める。これ以上、悲しみを連鎖させないために!」

全ての迷いを払い、決意した瞳に映るのは、月光の紅姫。

「笑止! お前の夢や理想で、世界が変えられるとおもうなっ!」

大切な者を失い、理想よりも現実を護る事を選び、頑なに実行し続けてきた少女。
今、その瞳に映すは昔の自分……否、全てを包み込まんとする、漆黒の麗姫。


二人の姫は、互いの信念を賭け、今、激突する……!

(勇者屋キャラ辞典:「完全なる」ゼミニア
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